この本を読むまで「ガスライティング」と言う言葉を知りませんでした。モラハラ、支配、抑圧により被害者が自分自身を疑うようになってしまう現象のことです。
読むのが大変辛く、何度も中断したり読み飛ばししてようやく読み切れました。それだけドンピシャの体験をしてる、と言うことで、その現実認識がまた辛かったです。
失った自尊心を回復するための方法まで書かれてるので、大変有意義な本でした。複雑性PTSDに有効とされてるワークも一通り紹介されてます(セルフワーク付き)。
ガスライティングとは
ガスライティングとは、特定の個人または集団が誰かを心理的に操る目的で、その相手が自らの記憶の正確性や判断力に疑問を抱くよう意図的に仕向ける行為を指します。 親子関係や恋愛で多く見られますが、職場でも起こることがあります。
ガスライターって、、
世の中に沢山居る。知れば知るほど人生で何度も関わったことがあります。強烈な違和感と恐怖を残す相手。相手にNOという選択肢を与えず自分の思うようにコントールすることに長けてる人。
生涯にわたるトラウマを残すこともあり「自分が弱かったから」と責める必要はありません。心理学を学べば学ぶほど「義父とは2度と関わらない」と断言できるようになりました。それが大きな収穫、ずっと上手く関われない自分を責めてたから。
人生で「この人にさえ、会わなければ」という人が、誰しも1人や2人居ると思う。私にはそれが義父だった。人生ひっくり返っちゃった。
パーツが暴れていた過去
結婚の直後から突然アトピーが全身に広がり、どうしようもなくなった時のことを今思い出すと、当然だよな、と。やることやられて、もうボロボロになってた私。それなのに上手く動けない健康でない自分を責めて責めてどうにかして「普通」の人になろうとして、あの時本当に苦しかった。私の苦しみに声をかけてあげれる人は私しかいなかったのに。
ごめんね、許してください、ありがとう、愛してる。
パーツケアで当時の自分に沢山声かけしてます。ずっと気付けなくてごめんね。
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感謝が足りなかった
なんだかんだで成人して結婚するまで、要領よく暮らしてと思います。中学受験も大学受験も行きたい学校の一歩手前だったけど、ボチボチな結果だったし就職活動も大きな苦労なく望んだ職種の会社に。
だからこそ自分の人生に感謝が足りなかった。いつも足りないことばかりに目がいって、常に努力して足りない何かを手に入れるという人生でした。自分の内側ではなく外側にばかり求めてた。そりゃ疲れるわな。
加害者でもあった自分
他人に対する配慮が今と比べると圧倒的に不足してました。考えが足らず傷つけてしまった人、人物の利益のために気遣いできなかった人、沢山思い浮かびます。自分の傷を学んだことで、自分が与えた傷にも気づけた。これは学びであり、新しい苦しみにもなりました。
失った自尊心を高めるために
この本で大切なのは本の後半に書かれてるセルフワーク!傷ついた自分を回復じゃーい。
コンパッション瞑想
私が幸せでありますように
私が健康でありますように
私が安全でありますように
私が安らかでありますように
自分から始めて、夫→地球→苦手な人…という風に文言を繰り返します。これはオノヨーコさんの祝福と同じですね。
譲れないものリスト
パートナー、または友人に求める条件をリスト化して見える場所に貼っておきます。そうすることで、未来の人間関係を理想的にし、人への信頼回復を目指すとのこと。書き出すことで、やばい人と会った時にちゃんと線引きできるようになるんだと思う。
- ありがとう&ごめんなさいが言える
- 他人の価値観に敬意がある
- 自分の問題に向き合える
- 他人の境界線を守れる
- 自立してる
- 自分で自分を幸せにできる
- 他人を利用しない/傷つけない…etc
夫に見られるのは気まずいので、たまに読み返すようにします。
投函しない手紙
夫に対して書いてみようかな…。義父が私に暴言を吐いても知らん顔だった夫(感覚が麻痺してる)。あの時誰か1人でも理解者がいればPTSDにならなかったと知り、夫とこれからも一緒に生きていくか迷いがあった時期もありました。今の夫には感謝の気持ちもあるからこそ、、手紙書いてみよう。
自分自身とデートする
自分に優しく語りかけ、呼吸に意識を向けること、自分自身に興味を持つことで、自分への理解が高まり、自尊心も高まります。
- 振り返り(日記やブログ)
- 体のケア
- プレゼント
- 新しいチャレンジ
- 境界線の設定
- アフォメーション
- 充実した時間
- フィジカルタッチ(ケアのプロによるセルフケア)
呼吸とヨガ
- ボックス呼吸(吸う/止める/吐く/停止を4秒間づつ)
- 片鼻呼吸
やっぱりヨガって心身に良いんだな〜。私が本格的に体調を崩し始めたのは、ヨガをする時間を削ってまで働き始めたタイミングでした。
ただ、本当に参ってる時はヨガすらできない状況になるので、ヨガが出来ない自分を責めない、ことも大切。
EDMRスパイラルテクニック
このEDMRというワークは、「効果が抜群だった」と体験記でよく読みます。今1番興味があるワーク。基本的に先生にしてもらう施術所ですが、この本ではセルフワークでできるやり方が紹介されてました。
具体的には、目の筋肉を動かすことでトラウマが消えてく…という不思議なワーク。文字にすると説明が難しいので備忘録的なメモだけ記します。
例 目を閉じて2分間ほど目を螺旋状に回転させる→螺旋を反対にして心でぐるぐる回す
その他
- 感謝を毎日3つ書き出す
- アートワーク
- タッピング(ストレスを調整できなくても私はリラックスしてこの瞬間を受け入れます)
- IFSのパーツワーク(もっと安全に感じるには何が必要か)
セルフケアでやれる方法まで落とし込んでくれてるので、どの治療法が自分に合ってるか、自分に何が必要かを知りたい人には良書でした。
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こういう本って高校教育で扱うことできないのかな。自分が置かれてる環境に疑問を持ち救われる人沢山いると思う。
まとめ
- ガスライティングは生涯にわたるトラウマになる
- ガスライター(加害者)はどこにでもいる
- トラウマ回復のセルフケアは色々ある
15年前にこの本と出会いたかった。素晴らしい良書でした。